石橋優介
ブロック塀の撤去は、1㎡あたりの単価だけを見て頼み、処分費や補修費で総額がふくらむケースが後を絶ちません。
撤去費用の相場と内訳、補助金と頼み先の選び方を、一級建築士・石橋が確認しました。
- ブロック塀の撤去費用の相場(1㎡単価と、長さ別の総額の目安)
- 見積書の内訳と、総額が高くなる3つの条件
- 補助金の使い方と自分で撤去する注意点
ブロック塀の撤去費用はいくら?
1㎡単価と長さ別の相場

ブロック塀の撤去費用は、撤去する塀の面積(長さ×高さ)でおおよそ決まります。
壊す作業の費用は1㎡あたり5,000〜15,000円が目安で、長さ10m・高さ1.2〜1.6mほどの塀を全部撤去すると、処分費などを含めて総額12万〜35万円ほどが相場です。
出典:マイナビニュース エクステリア(ブロック塀の撤去費用の記事・2026年10月確認)
1㎡あたり5,000〜15,000円が目安|総額は10mで12万〜35万円
面積は「長さ×高さ」で出します。ブロック1個の高さは20cmなので、6段積みの塀なら高さは約1.2mです。
長さ10m・高さ1.2mの塀なら、面積は12㎡。壊す作業だけで6万〜18万円になり、ここに養生・がれきの処分・整地と補修・地中の基礎の撤去が加わります。
高さ1.2m(6段)の塀を基礎まで全部撤去した場合の総額の目安
壊す作業1㎡5,000〜15,000円・養生1〜3万円・処分1〜5万円・整地と補修1〜3万円(マイナビニュース エクステリア)、地中の基礎1mあたり3,000〜5,000円・税別(みなと解体)で計算。現地の状態と業者で変わります。
長さが2倍になっても、総額はちょうど2倍にはなりません。養生や処分の費用は「一式」でかかるので、短い塀ほど1mあたりは割高になります。
プロのアドバイス
同じ長さの塀でも、処分費と補修費の入れ方で総額は2〜3倍変わります。単価より内訳を見てください。
自分の塀の長さと高さで計算すると、総額の目安が分かります。
ブロック塀の撤去|かんたん3問
わが家の塀、
撤去にいくらかかる?
長さ・高さ・撤去する範囲から、撤去の総額の目安をその場で計算します。
あなたの条件での撤去総額
12万〜34万円
真ん中の目安 約23万円
60万円までの相場メーター撤去費用の総額
全撤去の相場真ん中あなたの幅
費用の割合
壊す作業(1㎡単価で決まる)
処分・補修など(業者と現場で変わる)
金額の内訳
- 壊す作業6〜18万円
- 養生1〜3万円
- がれきの処分1〜5万円
- 整地・切り口の補修1〜3万円
- 地中の基礎3〜5万円
- 道路に面した塀は、市区町村の補助で費用の1/2〜2/3(上限10万〜30万円ほど)が出ることがあります。申請は工事の前に。
- 地中の基礎の撤去費は、税別の目安です。
- 重機が入らない現場や、鉄筋の多い塀は高くなることがあります。撤去のあとフェンスを付ける費用は別です。
あなたの条件では、撤去の総額に12万〜34万円の幅があります。1㎡あたりの単価は同じでも、処分費・補修費の入れ方と、頼む業者で総額は大きく変わります。どこに頼むかで総額が変わるので、見積もりで比べるしかありません。
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比べるには何社かに見積もりを頼む必要がありますが、自分で1社ずつ連絡するのは手間です。タウンライフ外構なら、1回の入力で複数の外構業者にまとめて見積もりを頼めて、届いた見積もりやプランを並べて比べられます(無料)。

- 審査を通った業者だけが登録されている評判の悪い業者は登録を外す仕組みなので、しっかりした業者を一から探す手間が減ります
- 見積もりを頼む会社を、自分で選べるどの業者に頼むかを自分で決められます
- 断りにくい時は代わりに断ってくれる何社かに頼んでも、気まずくなりません
計算に使った数字:解体作業費・養生費・処分費・整地と補修費・最低料金はマイナビニュース エクステリア(1㎡あたり5,000〜15,000円ほか、2026年10月確認)。地中の基礎の撤去はみなと解体(1mあたり3,000〜5,000円・税別)。補助金の幅はSUUMO(自治体の例)。実際の金額は、現地の状態と業者で変わります。
ブロック塀の撤去で
後悔しやすい3つの失敗

撤去費用の目安が分かっても、頼み方を間違えると、思っていたより高くついたり、近所との関係がこじれたりします。
よくある失敗を3つ見ていきます。
失敗①1㎡単価だけを見て頼み、総額が3倍になる
「1㎡あたり6,500円」と聞いて安いと思っても、総額はそれだけでは決まりません。
ある解体業者が公開している見積もりでは、塀の上3段(約4.1㎡)と門柱の撤去で、壊す作業は36,520円でした。ところが、がれきの運搬・処分が38,000円、残した塀の上の補修が28,400円、諸経費が10,292円かかり、総額は120,000円(税込)になっています。
出典:解体業者リプロの見積もり公開記事(2020年3月公開・2026年10月確認)
撤去の作業そのものより、処分と補修のほうが高くつくことは珍しくありません。
失敗②隣の家と共有の塀を、相談せずに壊してしまう
境界線の上に立っている塀は、隣の家との共有の持ち物のことがあります。
自分の土地にあると思って壊したら、実は共有だった、という形でもめると、工事のやり直しや費用の負担の話になりかねません。撤去の前に「誰の塀か」を確かめ、共有なら隣の家の同意を書面に残しておくのが安全です(くわしくは後の章で説明します)。
失敗③補助金を申し込む前に、工事を始めてしまう
危険なブロック塀の撤去には、市区町村の補助金が使えることがあります。ただし多くの制度は、申し込んで交付が決まる前に工事を始めると対象外になります。
⚠️ 着工の前に、補助金の申し込みを
たとえば金沢市の危険ブロック塀の除却の補助は、交付決定の前に着工すると対象外です。業者と契約する前に、お住まいの市区町村の制度を確かめてください。
総額の内訳・塀の持ち主・補助金の3つを、工事の前に確かめておけば、大半の失敗は防げます。
→ ブロック塀の撤去に慣れた業者を、複数まとめて比べる(無料)
撤去費用の内訳と、
高くなる3つの条件

見積書には、壊す作業のほかにいくつもの項目が並びます。項目ごとの目安を知っておくと、見積書を見たときに高いか安いかを判断しやすくなります。
見積書の内訳(解体作業費・養生費・処分費・整地と補修費)
| 項目 | 目安 | 中身 |
|---|---|---|
| 解体作業費 | 1㎡ 5,000〜15,000円 | ブロック塀を壊す人の手間 |
| 養生費 | 1万〜3万円 | 粉じんや破片が飛ばないようにするシート |
| 重機回送費 | 3万〜5万円 | 小さなショベルカーなどを運ぶ費用(使う時だけ) |
| がれきの処分費 | 1万〜5万円 | 壊したブロックを産業廃棄物として処分する |
| 整地・補修費 | 1万〜3万円 | 地面を平らにする・残した塀の切り口を直す |
出典:マイナビニュース エクステリア(見積もりの項目と費用の目安・2026年10月確認)
高くなる3つの条件
(基礎・重機・一部撤去)
1つめは、地中の基礎まで撤去する場合です。地面の下のコンクリートの基礎を掘り出すと、1mあたり3,000〜5,000円(税別)ほどが加わります(みなと解体)。
2つめは、重機を使う場合です。長い塀や高い塀では小さなショベルカーを使うことがあり、運ぶだけで3万〜5万円かかります。反対に、車が入れない狭い場所では手作業が増え、人の手間がかさみます。
3つめは、上の段だけを撤去する場合です。高さを下げて残すときは、残した塀の上をモルタルで直す補修が必要です。先ほどの解体業者の例では、長さ6.8mの補修に28,400円かかっていました。
最低料金に注意|
短い塀でも割高になる理由
多くの業者は、1回の工事に3万〜5万円ほどの最低料金を決めています(マイナビニュース エクステリア)。門柱1本や、長さ1〜2mの短い塀の撤去でも、この金額を下回ることはあまりありません。
「一式」とだけ書かれた見積もりは、処分費や補修費が入っているかを必ず聞き、項目ごとに分けて出してもらってください。
補助金で撤去費用を抑える|
自治体の例と申請の流れ

地震で倒れる危険があるブロック塀の撤去には、多くの市区町村が補助金を出しています。使えれば、撤去費用の半分以上が戻ることもあります。
補助の対象になりやすいブロック塀
対象になりやすいのは、道路や通学路に面していて、ある程度の高さがある塀です。ひび割れや傾きがある塀、鉄筋や控え壁がなく今の基準に合っていない塀も、対象になりやすくなります。
反対に、隣の家との間だけにある塀や、低い塀は対象外のことが多いです。条件は市区町村ごとに違うので、まず制度のページで確かめてください。
自治体ごとの補助の例(費用の1/2〜2/3・上限10万〜30万円ほど)
公式ページで確かめた例です(2026年10月25日確認)。金額や受付の期間は年度で変わります。
- 青森市:費用の3分の2以内・上限12万円(青森市の公式ページ)
- 弘前市:費用の3分の2か24万円の少ない方。市内に本店がある業者などが条件で、フェンス・門扉・生垣は対象外(弘前市の公式ページ)
- 金沢市:1㎡あたり3,500円・上限10万円。通学路や緊急輸送道路の沿道は1㎡あたり7,000円・上限20万円。撤去のあとのフェンスの新設は対象外(金沢市の公式ページ)
ほかにも、大阪市(撤去は費用の2分の1・上限15万円)、東京都目黒区(費用の50%以内・上限20万円)、相模原市(費用の2分の1・上限10万円)などの例があります(SUUMOの記事より)。
申請は工事の前に|契約・着工してからでは出ない
多くの制度は、次の順番で進みます。順番を守らないと補助が出ないので、業者と契約する前に窓口へ相談してください。
市区町村の窓口に相談する
まず最初塀が対象になるか、受付の期間内かを確かめる
業者に見積もりを頼む
1〜2週間補助の申請に見積書が要ることが多い
補助金を申し込む
受付期間内写真・見積書・図面などを出す
交付の決定を受ける
数週間決定の前に工事を始めると対象外
業者と契約して工事
1〜2日ほど
完了を報告して補助金を受け取る
工事のあと工事後の写真や領収書を出す
補助金は「工事の前に申し込む」のが大前提です。業者を決める前に、窓口で対象になるかを確かめてください。
→ 補助金の申請に慣れた業者に、まとめて見積もりを頼む(無料)
ブロック塀は自分で撤去できる?
手順と業者に頼むべきケース

低くて短い塀なら、自分で壊すこともできます。ただ、実際にやってみると、壊すことより「運び出して処分する」ほうが大変です。
自分で撤去する手順と道具
使う道具は、ハンマー(大きめのもの)、たがね、ブロックを切るディスクグラインダー(カッター)、手袋・保護めがね・マスクなどです。
上の段から1段ずつ崩していきます。塀の中に鉄筋が入っている場合は、カッターで鉄筋を切りながら進めます。一度に下の段を崩すと、塀がまとめて倒れることがあるので、必ず上から順に進めます。
自分で撤去すると、かえって高くつく3つのケース
1つめは、量が多い場合です。ブロックは1個約10kgあります(解体業者リプロの見積もり公開記事)。長さ10m・6段の塀なら約150個、重さは約1.5トンになり、車で何度も運ぶことになります。
2つめは、処分先が見つからない場合です。壊したブロックを家庭のごみとして出せるかは、お住まいの市区町村で確かめてください。出せない場合は、処分業者に引き取りを頼むことになります。
3つめは、高い塀や、道路・隣の家に接している塀の場合です。倒れたときの事故やけがの危険が大きく、隣の家の物を壊せば弁償の話になります。
高さ1m以上の塀や、道路・隣の家に接している塀は、業者に頼むほうが安全で、結果として安くつくこともあります。
ブロック塀の撤去はどこに頼む?
解体業者・外構業者の違い

ブロック塀の撤去を頼める先は、主に解体業者と外構業者です。ホームセンターのリフォームの窓口で受け付けていることもあります。
撤去だけなら解体業者、フェンスまでなら外構業者
撤去だけなら、壊すことと処分に慣れた解体業者が向いています。
撤去のあとにフェンスを付けたり、駐車場にしたりするなら、外構業者にまとめて頼むと、打ち合わせが1回で済み、重なる諸経費も抑えやすくなります。ホームセンターに頼む場合は、実際に工事をする会社がどこかを確かめておくと安心です。
3社くらいの見積もりを、同じ条件で並べて比べる
同じ塀でも、業者によって見積もりに入る工事と金額は変わります。処分費を高めに見る業者もあれば、補修を入れていない業者もあります。
3社くらいから、同じ長さ・高さ・撤去の範囲で見積もりを取り、総額だけでなく項目ごとに並べると、高い所と抜けている所が見えてきます。
⚠️ この見積書には気をつけて
「撤去工事一式」とだけ書かれ、処分費・補修費・地中の基礎の扱いが分からない見積書は、あとから追加の費用が出やすいです。項目ごとに分けて出してもらってください。
見積書を比べる時は、「処分費が入っているか」「基礎まで撤去するか」「切り口の補修が入っているか」の3点を確かめてください。
面倒な3社の相見積もりも、
入力1回で終わらせるタウンライフ外構
とはいえ、何社にも自分で連絡するのは手間です。タウンライフ外構なら、1回の入力で複数の外構業者にまとめて見積もりを頼めて、届いた見積もりやプランを並べて比べられます(無料)。

- ①審査を通った業者だけが登録されている
評判の悪い業者は登録を外す仕組みなので、しっかりした業者を一から探す手間が減ります - ②見積もりを頼む会社を、自分で選べる
撤去だけの会社か、フェンスまで頼める会社かを、自分で決められます - ③住んでいる市区町村の業者を紹介してもらえる
業者は市区町村ごとの対応地域で登録されているので、近くの業者から見積もりが届きます - ④断りにくい時は、代わりに断ってくれる
3社くらいに頼んでも、気まずくなりません
出典:タウンライフ外構(タウンライフエクステリア)公式サイト。入力は1分ほどで、利用は無料です。
撤去したあとはどうする?
フェンスへの建て替えと一部撤去

塀を撤去したあとに何を付けるかで、頼み先も費用も変わります。撤去の見積もりを取る前に、あとの形を決めておくと話が早く進みます。
全部撤去してフェンスにする|撤去と新設をまとめて頼む
目隠しや境界のために、撤去のあとにフェンスを付ける人は多いです。撤去と新設を別々の業者に頼むと、養生や諸経費がそれぞれにかかるので、まとめて頼むほうが総額を抑えやすくなります。
ただし、補助金の多くは「撤去」だけが対象で、フェンスの新設は対象外のことがあります(金沢市・弘前市など)。フェンスの費用の目安はフェンスの費用の記事で紹介しています。
上の段だけ撤去して高さを下げる
(一部撤去)
塀が高すぎて危ないだけなら、上の段だけを撤去して高さを下げる方法もあります。全部撤去するより壊す量が少なく、解体業者の例では、一部だけなら7万〜8万円で済むことが多いとされています(解体業者リプロの見積もり公開記事)。
一部撤去は、残す塀に鉄筋や基礎がきちんと入っていることが前提です。残す部分が今の基準に合っているかも、業者に見てもらってください。
撤去のあとの形が決まったら、撤去とフェンスをまとめて頼める業者に見積もりを取ると、総額を比べやすくなります。
撤去の前に確かめること|
境界・隣の家・法律

撤去の工事は1〜2日ほどで終わりますが、前の準備を飛ばすと、あとで近所ともめる元になります。
境界の塀は誰のもの?
共有なら書面で同意を
まず、その塀が自分の土地の中にあるのか、境界線の上にあるのかを確かめます。境界線の上にある塀は、隣の家との共有のことがあり、勝手に壊すことはできません(マイナビニュース エクステリア・みなと解体)。
共有の場合は、費用の分け方も含めて隣の家と話し合い、同意した内容を書面に残しておくと安心です。工事の前には、音やほこりが出ることを近所に伝えておきましょう。
残す塀が建築基準法の基準に合っているか
一部を残す場合や、隣の塀に接している場合は、残る塀が今の基準に合っているかも確かめます。ブロック塀には建築基準法施行令で、高さ・壁の厚さ・控え壁・鉄筋などの決まりがあります。
💡 ブロック塀の主な決まり(建築基準法施行令第62条の8)
高さは2.2m以下。高さが1.2mを超える塀は、長さ3.4m以内ごとに控え壁が必要です。壁の中には縦横に鉄筋を入れます。古い塀はこの決まりより前に作られたものも多く、補助金の対象になることもあります。
塀の持ち主と、残る塀の安全の2つを、業者と一緒に工事の前に確かめておきましょう。
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